院進-k(インシンク)|大学院進学について考えるためのポータルサイト

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2017年7月7日~7月21日 ニュースまとめ

院進-k編集部でニュースを担当しております鈴木です。先週までの2週間分(7月7日~7月21日)のニュースをお伝えいたします。

キラリティーを利用した発光性メカノクロミズムを開発―新たな分子設計指針に道を拓く―(北海道大学)7月7日
結晶中の分子配向が変化することにより発光の色が変化する材料を合成しました。このような材料は世界初ということです。
編集者コメント:すりつぶしなどの外的な力によって色が変化するメカノクロミズムですが、これまで分子の設計指針のなかった発光性メカノクロミズムを示す分子の開発に一つの指針を与えると期待できます。

気温上昇で急激に増加する水蒸気量―降水がより激しくなる可能性を指摘― (海洋研究開発機構)7月7日
気温上昇に伴い空気中の水蒸気量と可降水量の変化率が増大していることが明らかとなりました。
編集者コメント:今後地球上の大気の循環とともに地球温暖化による豪雨や乾燥のメカニズムを解明する足掛かりとなりそうです。

乱流の中に確率カオスを発見―複雑な非線形現象の簡明な記述に成功し,実験系で検証。気象現象や経済現象の予測,解明にも期待―(北海道大学)7月10日
複雑な気流の解析に確率変数を導入することにより、わずか3つの変数で実験的に発生させた乱流を記述することに成功しました。解析が困難な現象をモデル化する手法として今後気象予報や経済変動予測などへの応用が期待されるということです。
編集者コメント:前回ご紹介したスーパーコンピューターの技術と組み合わせることで社会における課題解決の手段として本格的に運用できるのではないかと私は注目しています。

体温調節の行動には温度を「感じる」必要がないことを発見―熱中症の発症メカニズムの理解に大きな一歩―(名古屋大学)7月11日
名古屋大学の研究グループが「暑い」と感じる感覚と、体温を調整しようとする感覚それぞれをつかさどる神経が異なることを突き止めました。熱中症に陥るメカニズムの解明に大きな一歩となります。
編集者コメント:私は熱中症のメカニズムが解明されるとともに、これらの神経系をターゲットにした医療・製薬分野でも研究がなされ製品開発につながると期待しています。

学術の総合的発展を目指して―人文・社会科学からの提言―(ベネッセ教育情報サイト)7月12日
日本学術会議が政府に向けて提言を行いました。多岐にわたる提言のうち、私立大学文系学生への奨学金給付の拡大などの提言に注目が集まっています。
編集者コメント:提言には、人文・社会科学系大学院生のキャリアパスについても述べられています。大学・大学院で学び、研究をする意義、またその経験を社会で活かす道というものが改めて問われていると私は感じます。

振動発電の高効率化に新展開:強誘電体材料のナノサイズ化による新たな特性制御手法を発見(名古屋大学)7月13日
振動などの機械エネルギーを電気エネルギーに変換可能な強誘電体材料の分極を、その形状や被覆など外的な要因によって制御できることが明らかとなりました。今後電源を兼ね備えたセンサーに応用が可能になります。
編集者コメント:自立した電源を持つセンサーの開発につながるということで、今後のIoT社会を支える基盤となる研究であると私は感じます。

オートファジーはマウスの聴覚に重要である(東京大学)7月13日
オートファジーに必要な遺伝子が欠損するとマウスの聴覚にかかわる細胞が異常をきたすことが明らかとなりました。
編集者コメント:昨年ノーベル生理医学賞の受賞対象となったオートファジーの研究ですが、医療分野への応用など今後も盛んに研究されることになりそうです。

最強の結合を切る!コバルト触媒による 有機フッ素化合物のクロスカップリング反応を開発(大阪大学)7月13日
有機化合物が持つ結合の中で最も安定な炭素-フッ素結合を開裂させ、クロスカップリング反応に利用する手法が開発されました。
編集部コメント:フッ素化合物はテフロン樹脂や医薬品など、幅広く利用されていますが、反応試薬という新たな利用法に期待が持てます。

「GPS通信障害の原因となるプラズマバブルの発生源に迫る(九州大学)7月13日
GPS通信に不具合をもたらすプラズマバブルが電離層における重力波に関係が深いのではないかという報告がなされました。
編集者コメント:太陽フレアが地球上で通信障害をもたらすことは知られておりますが、本研究では地球上の大気循環が原因になっている可能性が指摘されており、今後の研究の進展に私は期待を持っています。

山口大学 大学院生らの論文が国際誌の年間最優秀賞を受賞(大学ジャーナル)7月16日
山口大学の学生らによる論文がResource Geology誌の年間最優秀賞に選ばれました。
編集者コメント:修士学生による論文が国際ジャーナルの賞を受賞しました。このような受賞歴は就職でもアカデミックでも役立つので学生の皆様の研究の励みにしてほしいと思います。

⼈類が地上に降りた理由、森の気温と季節の出現によるものか ―チンパンジー、ボノボの⽣活様式から仮説を提⽰―(京都大学)7月19日
森林で生活するチンパンジーやボノボが、暑い乾季には地上で、寒い雨季には樹上で多くの時間を過ごすことが明らかとなりました。このことから直立二足歩行の獲得は人類が森林で季節の変化に順応した結果であることが示唆されました。
編集者コメント:人類はサバンナでの生活に適合するために直立二足歩行を獲得したと広く考えられていましたが、その説を塗り替えるものとして私は注目しています。

瘦せ型遺伝子は寒さに強い!? –遺伝子による体の産熱反応の違いを初めて実証–(九州大学)7日19日
UCP1という遺伝子を持っている人のほうが気温の低い場所で高い産熱能力を示すことが明らかとなりました。この遺伝子は肥満との関係も深いとされています。
編集者コメント:人類がアフリカから寒冷地に進出できた理由として、遺伝子進化があったものと推察されます。一方で遺伝子に関係なく肥満の方もいるわけで、タイトルがややミスリードであるとは感じます。

北海道の栄華をかつて極めたニシンはコンブをも育てていた~ニシンが栄養源として寄与,100 年以上前のコンブから検証~(北海道大学)7月20日
100年以上前の昆布標本の同位体を分析することにより、当時の日本海の栄養状態を解明しました。記事によると北海道のニシン漁が日本海の栄養状態に大きく影響を与えていることが示唆されています。今後全国で問題となっている「磯焼け」の原因究明に役立てるということです。
編集者コメント:赤潮と同じようなメカニズムで昆布の生育環境が整えられていたということで、人間の生活が自然環境に影響を与えてきた歴史の一端が明らかとなりました。

反芳香族分子の電子伝導性を単分子レベルで実証 ―芳香族の20倍以上高く、電子素子などへの応用に期待―(東京工業大学)7月21日
反芳香族化合物ノルコロール一分子の伝導度を走査型トンネル顕微鏡を用いて測定したところ、芳香族化合物のポルフィリンに比べてはるかに高い電気伝導度を示し、世界で初めて反芳香族化合物の伝導性を実証することに成功しました。
編集者コメント:前回のニュースで反芳香族化合物が次世代の有機半導体材料として期待されているとお伝えしましたが、その可能性を実証する研究であると私は思います。

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